今ここの心理学…認知行動療法読本 7

■「考え」が作る不安と心配

黒木雅裕 2015年6月26日

認知行動療法はうつ病や不安障害などの気分障害の治療法として始まりました。

どうにも気分が落ち込んで行動できない、不安や焦りに追い立てられて何にも集中できない、そのように感情のバランスが崩れて日常生活を送ることに障害が生まれるのがうつ病や不安障害です。

認知行動療法では、そういう気分の変調は私たちが問題や出来事に出会った時、無意識に頭の中に生まれる「考え」が作り出すものと説明しています。

とりあえず、

「出来事 」+「考え」=「気分」

という「公式」を頭の中に入れておいてください。

たとえば「友達にメールを送ったけれどなかなか返事が返って来ない」という出来事があったとしましょう。

「メールの返事が来ない」という出来事に対して、私たちの頭の中にはまず「なぜ返事が来ないのだろう」という考えが生まれます。そして次にもし「私は何か友達に嫌われるようなことをしたのかもしれない…」という考えが浮かんだ場合「私は友達を失うかもしれないなあ」と悲しみを感じることになります。公式に当てはめれば、

1.「返事がない」+「嫌われた」=「悲しみ」

という作用で悲しいという気分が生まれるわけです。

また、もし「友達は私に対して怒っているに違いないよ」という考えが生まれたとしましょう。この場合は「これから友達に何か文句を言われるかもしれない!」と身の危険を感じ不安になります。公式に当てはめれば、

2.「返事がない」+「相手が怒っている」=「不安」

という作用で不安が生まれるわけです。

もうひとつ、メールの返事がすぐに来ないことに対して「友達が返事をすぐに出さないのは非常識だ!」という考えが起こった場合は、相手の行動を不当だと感じ「怒り」が生まれます。

3.「返事がない」+「非常識だ」=「怒り」

というわけですね。

(続く)