今ここの心理学…認知行動療法読本 1

■今を生きるための認知行動療法

黒木雅裕 2015年4月23日

僕は「こころ」に興味があります。ですから僕たちの仕事の目標も「人々の暮らしに安心を」届けることです。子どもの頃から時々こころの中をのぞいては「こころは一体どうなってるんだろう?」「どうすればこころを落ち着かせられるのかな?」などと考えていました。

そして僕はいつも「こころってなかなか自由にならないなあ」と感じていました。問題があればすぐに落ち込むし、他人と衝突すれば相手の表情や反発が気になります。日々の出来事に振り回されて、いつもバタバタ焦ってしまい、1日何をやったかわからない日もあります。

不安や心配は昔も今もあんまり変わらないようです。要するに僕自身いろいろな事が不安だし、いつも何かを心配をしてる人間ということですね。この文章はいろいろなことが不安で心配性な人に向けて、認知行動療法という、あるこころのとらえ方を伝えたくて書くんですが、なんだそれは自分自身のことだなあとも思います。

と同時に、まわりを見渡してみると、あれ、あの人もすごく不安そうだな、この人も心配ばかりしてるぞ…こころが自由にならないのは僕だけじゃないんじゃない?ということにも気がつきます。

不安で心配なのは自分だけじゃないなあ…いや不安や心配がない人ってどこにいる?そうか不安で心配なのは自分だけじゃないんだ、とまわりを見て確認すると、ちょっとだけこころが軽くなります。

それは認知行動療法的な考え方のひとつです。

認知行動療法は、自分の考え方のバランスを取り「こころの取り扱い方」を身につける技術です。もともと、うつ病や不安障害に効果の高い心理療法ですが、今それ以外の場所での注目も広がっています。

認知行動療法には、不安や心配と上手につき合い、逆にそれを日常生活に生かすためのヒントがいくつも隠されています。

これからそんな認知行動療法の話をしたいと思います。